感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2008年改訂版)
Guidelines for the Prevention and Treatment of Infective Endocarditis(JCS 2008)
3 心臓手術を実施する患者
ハイリスク患者の心臓手術は感染性心内膜炎の発症リスクとなる.よって,手術前には適切な歯科治療を行っておく必要がある.外科手術を勧める内科医,小児科医は患者の口腔内の状態にも配慮し,歯科受診を勧めるべきである.
この心臓手術時の予防はおもにブドウ球菌に対して実施すべきで,短期投与とする.抗菌薬の選択は各施設の感染症対策委員会での決定に従うべきである.一般に,院内のコアグラーゼ陰性ブドウ球菌の大半はin vitro ではメチシリン耐性の表現型を示すが,弁手術を施行するほとんどの患者では第1世代セファロスポリンにより心内膜炎は予防される.選択した抗菌薬の予防投与は手術直前から開始し,長時間の手術時には術中レベルを維持するために再投与する.人工心肺の使用や患者の腎機能を考慮し,投与量を決定する.可能ならば抗菌薬血中濃度をモニターすることが望まれる.
Ⅵ 予 防
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