感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2008年改訂版)
Guidelines for the Prevention and Treatment of Infective Endocarditis(JCS 2008)
 
 
1 ペニシリンG感受性連鎖球菌(Streptococcus viridans,Streptococcus bovis,その他の連鎖球菌)
 Staphylococcus aureusに比べこれらが原因菌の場合,病状の進行は数週間~数カ月にわたり,症状は微熱や倦怠感,体重減少,寝汗などで,臨床検査値上も炎症所見は比較的軽度なことも多い.

 ペニシリンG(PCG)1 日2,400万単位(1,800~3,000万単位)を6回に分けて点滴静注,または持続で投与する.ペニシリンG を静脈内投与する場合,静脈炎の合併は稀ではなく,投与困難な場合にはアンピシリン8~12 g/日投与する.ペニシリンアレルギーではバンコマイシンを投与するが,ばセファゾリンやセフトリアキソンを投与することも可能である.

 治療期間は原則4週間であるが,人工弁置換術後感染性心内膜炎における治療は3 腸球菌項目に準じて行う.

Ⅲ 内科的治療 > 2 原因微生物が判明した場合 > 1 ペニシリンG感受性連鎖球菌(Streptococcus viridans,Streptococcus bovis,その他の連鎖球菌)

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