感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2008年改訂版)
Guidelines for the Prevention and Treatment of Infective Endocarditis(JCS 2008)
 
 
2 術後管理
 通常の弁膜症の術後管理と異なる点は,周術期脳合併症の悪化あるいは新たな発生があること,弁周囲逆流の発生頻度が高いこと,またその原因の一つとして感染が遷延する場合があることである.これらの合併症に対する注意深い観察とそれぞれへの対応が必要である.脳合併症を有するか予測される患者には,抗凝固療法を必ずしも要しない生体弁を用いるか弁形成術を行う配慮があってよい.また,弁周囲逆流や感染の遷延は再手術を必要とすることがあり,その時期の判断を誤らないことである.これらの合併症がなく経過する場合は,感染所見(炎症反応)が消退するまで抗菌薬投与を継続する.一般に術後約1ヶ月程度の抗菌薬投与が推奨されるが,術前の感染巣の状況や手術の結果によって異なり,6~ 8週行うこともある.

Ⅴ 外科的治療 > 2 外科治療と術後管理 > 2 術後管理

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