感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2008年改訂版)
Guidelines for the Prevention and Treatment of Infective Endocarditis(JCS 2008)
 
 

Ⅴ 外科的治療

 感染性心内膜炎の治療成績は,感染早期の活動期に外科治療が導入されるようになって飛躍的に向上してきた.単独内科治療に比し,外科治療成績がはるかに勝っていることが示され,外科治療の意義が感染・心不全・塞栓症の3 つの病態について次第に明らかにされてきている.しかし臨床的に安定した患者の手術死亡率がおよそ5%であるのに対し,合併症を有する複雑な病態にある患者では30%と高率であることも事実である.重篤な合併症を発症する以前に的確に病態が把握され,外科治療が導入されることが望まれる.
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