感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2008年改訂版)
Guidelines for the Prevention and Treatment of Infective Endocarditis(JCS 2008)
 
 
1 陽性基準
 持続性の菌血症が感染性心内膜炎の典型的な所見であり,心内膜炎に典型的な病原微生物が2回あるいは持続性に血液培養で認められる場合が診断基準とされる.感染性心内膜炎に典型的な病原微生物としては,Streptococcus viridans,Streptococcus bovis,HACEK 群がある.これらの微生物は感染性心内膜炎のない患者で検出されることはほとんどないため,これらが血液培養から検出されることは, 重要な診断基準となる.Staphylococcus aureusは,Duke診断基準では,元々原発性感染巣がない場合の市中感染に限られていたが,同診断基準改訂版では,Streptococcus viridans,Streptococus bovis,HACEK 群と同様に扱われている.Enterococcus faecalisは,原発性感染巣がない場合の市中感染に限られている.

Ⅱ 診断 > 2 血液培養 > 1 陽性基準

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