感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2008年改訂版)
Guidelines for the Prevention and Treatment of Infective Endocarditis(JCS 2008)
 
 
1 臨床経過
 菌血症が起こってから,症状の発現までの期間は短く,80%以上の例では2週間以内である.感染性心内膜炎の臨床症状は,亜急性あるいは急性の経過をとる.亜急性感染性心内膜炎では,発熱・全身倦怠感・食欲不振・体重減少・関節痛等の非特異的な症状を呈する.症状は徐々にみられ,その発現日は通常特定しにくいが,抜歯,扁桃摘除等と関連している場合もある.一方,病原性の高い原因菌による急性感染性心内膜炎では,高熱を呈し,心不全症状が急速に進行する.

Ⅱ 診断 > 1 症状・身体所見 > 1 臨床経過

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