感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2008年改訂版)
Guidelines for the Prevention and Treatment of Infective Endocarditis(JCS 2008)
10 抗凝固療法
抗凝固療法は感染性心内膜炎の塞栓を予防しないで,むしろ頭蓋内出血を起こしやすくするため禁忌とされる.人工弁性感染性心内膜炎の場合は原則として注意深く抗凝固療法は継続する.脳血管系への塞栓症を合併した場合は,出血のリスクが低下するまで通常抗凝固療法は中止し,CTスキャンにより再開の時期を判定する.人工弁性感染性心内膜炎の症例で手術を考慮しなければいけない場合は,半減期の短いヘパリンの点滴投与に切り替えておくべきである.抗菌薬治療を行っている感染性心内膜炎の塞栓予防にアスピリンを加えることで塞栓のリスクは減少させず,むしろ出血を増加させることが示されている.
Ⅳ 合併症の評価と管理 > 2 心臓外の合併症 > 10 抗凝固療法
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