感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2008年改訂版)
Guidelines for the Prevention and Treatment of Infective Endocarditis(JCS 2008)
 
 
6 感染性動脈瘤
 感染性心内膜炎による感染性動脈瘤が最もよく起こる部位は脳動脈瘤である.臨床症状は頭痛,知覚障害,脳神経症状などである.頻度は1.2~5.6%と言われており,破裂すると重篤となり死亡率も高い.感染性動脈瘤は中大脳動脈領域に多くみられ,動脈の二次分岐部に好発する.瘤は1 個のこともあるが,多発することもあり診断時に注意を要する.破裂前に少しずつ血液が漏れ出すことにより髄膜刺激症状を呈することもある.CTスキャンや脳脊髄液からクモ膜下出血が明らかで,血管造影で動脈瘤を証明されなかった場合は,10日から2週間後に再検査すべきである.2回目も動脈瘤が検出できず,スパスムもないことが確認されたら,無症状の患者にはそれ以上の検査をしなくてもよい.

Ⅳ 合併症の評価と管理 > 2 心臓外の合併症 > 6 感染性動脈瘤

次へ