感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2008年改訂版)
Guidelines for the Prevention and Treatment of Infective Endocarditis(JCS 2008)
 
 
4 脳合併症の診断法
 脳神経系の合併症の診断には造影CTスキャンやMRIが最も有用である.MRI は小さな膿瘍,小梗塞の診断に有用であるが,ごく初期は血液と脳脊髄液が同じシグナルのため,24~ 48時間以内の急性期クモ膜下出血の診断には不向きである. MR アンジオグラフィは脳動脈瘤の診断に有用であり,5㎜以上の大きさであれば,かなりの感度と特異度で診断可能である.しかしながら5㎜未満では従来の血管造影法の方が有用である.脳動脈瘤の形成には少なくとも7~ 10日かかるため,検査を行う時期についても考慮しなければならない.サブトラクション三次元CTスキャンを用いた血管造影法により,明瞭な動脈瘤の描出も可能となってきた.侵襲的な血管造影は,CTスキャンで頭蓋内出血が確認された場合に施行するべきである.

Ⅳ 合併症の評価と管理 > 2 心臓外の合併症 > 4 脳合併症の診断法

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