感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2008年改訂版)
Guidelines for the Prevention and Treatment of Infective Endocarditis(JCS 2008)
5 治療に反応しない場合(表9)
治療経過中,適切な抗菌薬投与にもかかわらず発熱が持続したり,再度発熱したりすることがある.その原因として,他臓器への感染性塞栓や薬剤性(drug fever は治療開始3 ~ 4週間頃に多い)も考慮しなければならないが,特に注意すべきは病巣の弁輪部への進展・拡大である.特に人工弁置換術後感染性心内膜炎や,原因菌がStaphylococcus aureusの場合,適切な抗菌薬投与にもかかわらず48時間以降も敗血症状態が改善しなければ,遅滞なく外科的治療を考慮する.
感染性心内膜炎の治療においては,状況に応じて心臓外科医や脳外科医と迅速な連携・対応をとる(第Ⅳ章,第Ⅴ章参照).
表9 内科的治療に反応しない場合:再評価における留意点
1)感染性心内膜炎の診断の妥当性
2)治療法の妥当性
①原因菌に対し抗菌薬療法のみで十分な効果が期待で
きるか(真菌,耐性菌など)
②抗菌薬が原因菌に適合しているか
③薬剤の選択と投与方法(併用,投与量,回数)
④投与期間
⑤ drug fever の可能性
3)合併症の評価(第Ⅳ章参照)
4)効果判定の妥当性(判定方法や判定時期)
Ⅲ 内科的治療 > 5 治療に反応しない場合
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